2008年08月18日

切ない場所 ― 慢性逆ホームシック症候群

日本を離れ7年が経ち、でもいまだにこの街に恋焦がれ憧れている。
恋しい気持ちはまったく薄れることはない。 

City005.JPGサンフラン家.jpg


街並み、人、空気、、その全てが素敵だ。街を歩き、この街の一部になることが誇らしく、嬉しい。

休日にはノースビーチのカフェでドピオを飲みながら本でも読んで過ごす。
景色と人の声が心地よい。

長い休暇が取れたら、ルート5をドライブし、サンタモニカまで行ってみようか。時速90マイルで走ってもちっとも動かぬ景色を7時間。
はたまた空の旅を一時間、オレンジに灯る夜景。
どちらもやっぱりアメリカらしい。



もし日本に帰国したら、私はひどく塞ぎこむのだろう。

この街が恋しくて愛しくて、帰りたくて帰りたくてたまらなくなるのだろう。

狂ってしまうかもしれない、、、。

con07.jpg



分かってはいた。でもやはり、帰国することになった。

帰らなくてならない事情がいくつか重なってしまった。

選択肢はなかったのだ。
 


白く灯る夜景が広がる。
多色彩のビル群を過ぎる。
もうアメリカに帰ることはできない。

この景色が現実なのだ。

この現実、好むと好まざるとに関わらず受け止めなくてはならない。

生きていくためだ。

私は強くない。
ただ狂わないことで精一杯だ。


景色を見ているだけで、日本語を聞いているだけで、やりきれなくなる時もある。

耳を目を覆い隠したい時がある。

そんな時には、この景色の中、人々の声の中、湿った空気の中、ひたすら目的もなく歩く。

景色を通り過ぎ、音をすり抜けて、ぐんぐん歩くのだ。
 とことん歩き、疲れ、立ち止まり、そこの景色を見る。そこの音を聞く。

もうどこへもいけないのだ、そのことを改めて確認する。


もう帰れない。

だから生まれたこの国で生きていくしかないのだ。
 
再びその街を訪れるまで、強く生きていくしかないのだ。

再び、、、、?
 

何を言っているのだ。
またいつかそこに戻れると思っているのか。
 
私は一度その場所を捨てたのだ。 
海の向う、もうそこに私の場所はないのだ。

たとえ再びその場所に戻れたとして、そこはもう私の暮したあの場所ではない、そんなことくらいわかっているだろう?



ときどき胸に鈍いものがこみ上げてくる。
恋しくてたまらない。
そして寂しくてたまらない。

私は大切なものを失ってしまったのだ。

もう二度と戻れないのだ。
 


だから、しっかり覚えていようと思う。
 
せめてこの記憶を失わないようにしたいと思う。 

時々この記憶が悪さしどこかを刺激し、たまらなく寂しく切なくなる時があるけれど、この記憶を無くしてしまうことに比べればそんなんことは大したことではないのだ。

この記憶が薄れていくこと、そのことがもっともっと寂しく切ないことなのだ。


大切な思い出なのだ。


今では切ない想い出だけれど、確かに幸せだったから、あの時。

だからその思い出を大切にしたいと思う。
   
posted by 海外ロングステイ相談室 at 20:44 | ホノルル ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○逆ホームシック