オーナーの方のほとんどはご高齢となられている方が多く、中には既に他界されている方も少なくありません。

競売までほとんど時間はありません。
ですから連絡をいただけた方には早急に任意売却や相続手続きの手配を大急ぎでしている最中です。
洋の東西を問わず裁判所などのお役所手続きには時間がかかります。
しかしだからといってこちらもそのペースでのんびりやっていると、二乗で時間が掛かるものです。
ですから自分の手元に作業がある時には、努めて迅速に、これが鉄則であると信じています。
ともかく引き続きこの手配、ぎりぎりまで、できるだけ多くの方の大切な財産を守るお手伝いをしていくつもりです。
さて、お話しは今回のこの大量の日本人オーナー所有不動産が競売対象になっているハワイ島のある地域についてです。
実は日本人オーナーの圧倒的多数はハワイ島のプナ地区と呼ばれている地域に集中しています。
ここは最近インディージョーンズの舞台にもなった原生林が生い茂る地域です。
いわゆるハワイリゾートとのイメージとは対極にある地域でしょう。
しかしそういう場所をなぜ日本人が、、?
ワイキキでも、ホノルルでもなく、そして最近人気のネイバーアイランドの高級リゾート地でもありません。(例えば同じハワイ島なら西側のコナやコハラと呼ばれるリゾート地が代表です)
ここプナ地区は言葉は悪いですがある一定所得層以下のハワイの地元住民が暮している地域です。
昔も今も決して地価が高い地域ではありません。
なぜそんな場所にこれだけ大量の日本人が、、、。
区画の広さは1エーカー以上の土地がほとんどで、そこには水道も電気もありません。
それもそのはずここは農業地区分地域なのです。
だから固定資産税も割安です。
もともとはこのあたりはサトウキビ畑でした。
我々の先人たちが額に汗した場所です。
やがてサトウキビ産業は衰退し、その後農業地として地元民に安価で開放され、そのままの流れで現在に至る場所です。
今も昔も変わらぬ本当のハワイの地といえます。
本当のハワイの生活がある土地です。
そこは私たちが知るきらびやかなハワイのリゾート地ではありません。
数年前の米国住宅好景気時でも一番最後にようやく地価が上がり出し、そしてそれがはじけて今度は真っ先に地価が下がり出した地域です。
だからこそこういう素朴な疑問が浮かぶのです。
どうしてこういう場所を今から20年も前からこれほどたくさんの日本人が購入していたのだろうか?と。
現に今でもハワイ諸島で最も日本人オーナーが多い島はここハワイ島です。
ワイキキのあるオアフではありません。
しかしこのハワイ島で特徴的なのは、その所有形態は圧倒的に「土地」だということです。(オアフの場合はコンドや住宅が多いです)
土地で所有されているということは、つまり利用していないということです。
中には将来家を建ててという計画のある方もいるのでしょう、ただ今回改めて伺ってみると購入した主な理由の一つに「投資のため」という言葉がたくさん聞こえてきます。
日本人は土地が好きと言われています。
建物付きよりも更地を好む傾向が多いようです。
だから日本の方はアメリカでも不動産と言えば、真っ先に土地を購入されることに抵抗を感じない方がほとんどなのでしょう。
しかしこのことは世界の常識からすると実は少数派といえるのです。
直ぐに建築するならともかく、遠い将来のためにどうして前以って生土地を購入するのだろう、現地の方ならほとんどがそう疑問に思ってしまうでしょう。
想像してみてください。
アメリカ本土のあの広大な大地を、どこまでも続く大陸を。
普段我々が知っている日本で売り出されている土地とは上水道完備、整地済み、そういう状態であることが多いです。
しかし広大なアメリカでそれは物理的にも到底不可能というものです。
そんなことをしていたら人手がいくらあっても足りません。
ですから土地とは場所のこと、そこを購入しご自身でそれを農業地用にでも宅地用にでもあなたの望むようにインフラを整え整備してください、そういう発想です。
(余談ですがあちらの新車やコンピューター購入に際してすべからくこのようなシステムを取っている場合が多いです。逆に日本のそれは不要なものまでついているくらい完全品として売られていますね。)
一言で言うと既製品となっている日本の土地に対して、未だ生土地でしかないあちらのスタイル。
そういう背景もあるのであちらでは建物付きのほうがより価値が高くなります。
第一家付きなら即使用できますが、生土地を購入しても実際に使用できるまでには約1年はかかります。
いったいどこにメリットはあるのでしょう?
他に初めから50年も100年も長期間使用することを前提に建築されているあちら式と、30年で資産価値がなくなる日本式との違い、、、。
つまりそもそも日本で言う土地とあちらで言う土地ではその意味がまっく違うということです。
生土地には何ひとつ付帯していません。
しかも原生林は生い茂ったままです。
ですから何かを付けるにしても、何かを整えるにしても、その土地を所有した瞬間から何をするにしても経費はかかるということです。
そればかりかただ放っておいても固定資産税や共益費は発生します。
本来土地とは只同然のもの、極端に言うとそれがあちらの考え方です。
電気を引いた、樹木を伐採した、土地を均した、そういうことをして始めて「不動産」と呼べる財産となるのです。
この続きはまた明日へ、、、、。