2010年09月13日

タイムシェアを巡る喜悲劇(前編)

以前にもタイムシェアに関してブログ記事を書いたことがあります。

内容は、読む人が読めばあまりに一方的で独断的で、悪意に満ちた内容にも思えたことでしょう。

でも
それもやはりひとつの考えであり側面であります。
全ての出来事は見方によっては角度によっては良く見え悪くも見えます。

そしてここは海外ロングステイ相談室です。
普段は目を背けたい暗い部分にどうしてもファーカスを当ててお話していくことになります。

タイムシェアに良き面はたくさんあります。
でもそれは数多くのメディアを通じて十分な情報が既にあります。

ですからここでの記事はあくまで数少ない注意点のひとつとして、あくまでそういう参考程度にお読みいただければと思っております。
 

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さて、これはひとつの相談事を基にした実話です。

もちろんプライバシーに配慮して固有名詞も出しませんし、一部あいまいな表現にしている箇所もあります。
  

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今ご所有のハワイのタイムシェアを売却したいという方がいます。


既に売りに出しているようで、でも現状は需要より供給の方がずっと多く、大変厳しい状況のようです。 

ずいぶんもったいない話ではありますが、何とまだ一度も利用したことはなく、しかも仕事の都合で当分利用できないとのこと。
夢を抱いて、大好きで時々訪れていたハワイのとある島で購入し、そして今そのことを大変後悔しているとのことでした。


営業マンの勧誘にすっかり乗ってしまい、貯金をはたいて購入してしまい、しかも今よりずっと円安の時だったので、今では日本円にして既に2割以上目減りしてると言います。
またそれから、管理費を支払い続け、今年の分も既に十万円以上支払っているらしいのですが、結局利用していないそうです。


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売却を考え、いろいろ調べましたが、とても厳しい事を知りました。
ハワイのタイムシェアを扱ういくつかの業者に問い合わせたところ、売却予想金額も返事の内容も様々でした。その中のひとつと契約し、春から広告を載せてもらっていますが、まったく音沙汰はありません。
いったいこれからどうしたらよいのでしょう、、、、。
 


そういう相談でした。



私からの最初の返事は以下でした。


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ハワイのタイムシェアに関しては、きっと私が以前に書いたブログも読まれたことでしょう。
 

その
記事からでもお分かりになるように私自身このタイムシェアというものに対して以前から否定的です。

ですから私の返事はかなり偏った意見となってしまいます。
最初にそのことをまずお断りしておきます。
 


タイムシェアというのは確かに所有権ではあります。
しかしRさんが購入されたという約3万ドルの1寝室のコンドミニアムの一週間分の権利ですが、例えばそれに約52週分(一年間)をかけると約1億5千万ドルとなります。

つまりRさんが購入されたコンドミニアムとは一般不動産市場の物件でいうとこれだけの価値のあるもの(1寝室のコンドミニアム!)ということになってしまうということです。

実際にこれだけの金額を出せば、当然ながら相当な規模のコンドも戸建ても購入可能となります。


タイムシェアの売りは所有権であることだと思いますが、一方では所有権であることの売りは本来、不動産としての資産性だと思っています。

特にここハワイは全米でも唯一、不動産需要にほとんどかげりがない稀有な地域です(逆にまたここ数年伸びています)。

ですから本来のハワイの不動産とは、お金を出して楽しむという一方お金を出して更に大きなお金を生む、というそういう両面性のある貴重なものだったはずなのです。 


ただこのタイムシェアとは、やはり本来の不動産価値以外にも多く特性を作り出しているせいで、たくさんの人件費や経費を投入しているでしょうから、当然その費用も価格に込みになってしまいます。

ブランド価値があるうちは(それでもまだまだブランド価値は高いです。韓国人や中国人市場でもこのタイムシェアはとても人気が高いです)所有権を売ることは可能でしょう。
しかしある程度流通が行き渡ってしまうと、リセールで儲けを出すということはかなり難しくなってしまうでしょう。
何しろもともとが本来の不動産としての純粋価値以上の金額で売られている商品なので、一般のマーケットでは流通しにくく、常に専門のマーケットでしか扱われない商品です。
だからそういう商品を扱うマーケットでは、通常の市場原理が働きにくいのが現実でしょう。 
 


今私にできることは、もちろんあくまで今契約している不動産業者との期間が終了したらとなりますが、現地の私の仲間を通じてその地域でタイムシェアのリセール物件を数多く扱っている専門業者を紹介してもらい、そこを通じて今現状で一番良いと思われる条件でRさんの貴重な財産を、少しでも高く売却するお手伝いをすることくらいです。

しかしその前にこの春から売り広告を載せてもらっている、、とありましたので、もしそうでしたらハワイ州の法律では日本のように一般媒介という制度がなく全て専属専任媒介となっていますので、その期間内は他のどの業者もRさんの物件を売るお手伝いをすることはできません。

ですから契約書を含めてまずはそれを確認する必要がございます。


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初回のやり取りはだいたいそういう感じでした。

その後メールの行き来が始まります。


その続きはまた明日にでも書きたいと思います。





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2010年09月16日

タイムシェアを巡る喜悲劇(後編)

前回の記事の続きです。



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Rさんからの返事
 

アドバイスの通り、早速契約書を確認してみました。

確かにサインした日より1年間の専属専任媒介契約となっていました。
英文の契約書のうち、一部抜粋して日本語訳となっているページ(日本語訳は、1ページだけでしたが)にそう書いてありました。

私たちは、そういった契約内容も正確に把握していませんでした。
反省しなくてはいけません。

契約した不動産業者へ届けることなく勝手に他で売りだすことはできない、と明記されています。 

私たちは、この冬にまた管理費を支払わなくてはならないので、できるだけそれまでに売却を、と安易に考えてしまいました。

そこで、いろいろ売却について調べたところ、そこには「購入したタイムシェア会社に言ってもなかなか対応してくれない。たらいまわしにされた揚句、信じられない価格でしか売却できなかった」「供給ばかりでここのタイムシェアはなかなか売れない」・・など、良くない事例ばかり出ていました。

売却の為に問い合わせた不動産業者の返事は、本当に様々で、「せいぜい1万ドルでしょう。手数料などもろもろ差し引いて、手元に残るのは80万円くらいでしょう」という返事もあれば、「確かにここのタイムシェアは、供給量が多く売りにくいが、でもRさんが購入したのそれは新しく人気もある所なので、売れるでしょう」などいろいろで、結局、一番対応が早くて良かった会社にお願いすることにしました。 

購入する時、他の人も言っているように、「売却もできます。100%で買い取します」と説明されるのですが、これはアップグレードした場合のことでした。

この春、「いろいろな理由で、利用することが出来ない」と担当者に話すと、百万円足すと(アップグレード)すると、もっと利用しやすくなる、と言われました。

一度も宿泊していない上、管理費を払い、さらに百万円でアップグレード、という話は、私たちにはもう考えられない話しで、きっぱり断りました。

勿論、サインしたのは私たちです。
責任は、私たちにあるとわかっています。
 

お金持ちの人だったら、3万ドルは、大した金額ではないのでしょう。
でも、私たちはごく一般の家庭で、また事情があって、今経済的に厳しい状況に置かれています。
ですから、このタイムシェアの部屋も、隔年利用としました。
それでも、残念ながら行くことができません。
  




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私からの返事 


まずどうか必要以上にご自分を責めることはどうかおやめ下さい。

この専属専任を請け負った業者にしろ、私にしろ、長年ハワイの仕事に関わって毎日生活しております。

でも
お客様というのは皆初心者です。

初めてで、そしてほとんどの方がこれで最後です。

日本からのお客様の圧倒的大多数がそういう方たちなのです。


ですから余計に我々プロにはきちんとした説明責任があります。

特に不動産は決して小さくないお金が動く一大行事です。
初心者である、初めてであるお客様に対して、また非居住外国人であるお客様に対しての説明責任があるのは我々の方です。

反省は我々プロがしなくてはいけないのであり、決してRさんがするものではありません。
 



それでは少し現実的な話をします。

おそらく今回の仲介手数料には10%ほどだと思います。

しかし手数料は売り手と買い手のエージェントで分け合うのがハワイの不動産取り引きなので、ですから今契約をされている不動産業者にしても、今回もし仮に1万ドルで売れた場合、この業者の手元に入ってくる手数料は半分の5%の500ドルということになります。

しかもこの500ドルには、売るために掛かる必要経費の一切が入っているので、ですから業者としても正直決してうまみにある仕事とはいえないでしょう。
  


今Rさんができることはただじっと待つことではありません。

この業者の尻をたたくことです。

まともなやり方で売却が成立した場合のこのエージェントの取り分はわずか500ドルです。


不動産会社の内情をあえて暴露すると、通常はこの規模の手数料物件はMLS(不動産協会主催のインターネットと使った不動産販売サイト)に掲示したらそれきりです。

動けば動くほど手弁当の経費が出て行くのですし、売れたところで儲けも高が知れています。

ですから期間中ただMLSに掲示しているだけという場合が多く、そしてもし向こうの方からアプローチしてくれて買い手が付けばラッキーということです。

しかし人間の気持ちなど洋の東西を問いません。
誰でもうるさいお客さんや連絡を密に取っているお客さんのことはいつも頭をよぎるものです。

ですからまずはRさんは「現状どうなっているか?」を問い合わせ、その上で「掲示金額を下げれば売れるか?売れるとしたらいくらまで下げた方がいいか?」を聞くべきです。

その上で今度は2週間に一度「その後どうですか?」を繰り返すこと、余計なことは言う必要はありません。
それだけで十分効果があります。

業者はとにかくこれをまず売ってしまわないと、、と考えます。

つまりその時点でRさんの物件は、この業者の売るべき物件候補の上位にあるということです。

最初に買いたいというお客様から訊ねられて一番最初に紹介してもらえる物件のひとつになったらもうしめたものです。
  



それから、契約書でもう一点確認しておくべきものがあります。

それはプロテクションピリオドといって、「契約期間が終了後も引き続きエージェントに対して手数料が支払われる期間」についての記載です。

つまりこれはたとえば明日で契約期間が切れたとして、でも明後日お客様が現れたとき果たしてそれは誰のおかげか、、、というところから始まっている習慣です。

明後日お客が現れた理由は今までの宣伝活動の成果だろう、だとしたらその報酬を不動産業者へ支払うべきだ、ということです。

もともと専任契約書自体がハワイ州不動産協会で作られているので、つまりはこの契約書というのは協会員であるエージェントの権利を保護する目的ということです。  

尚この春に契約されたのでしたらまずは今の業者のままでその期間内は存分に働いてもらうことです。

世の中にスーパーマンは存在しておりません。

業者を変えたところで売値が倍になることはありません。

せいぜいが売れる時期が多少早まるくらいです。
 


まずはせっかくの契約期間です。

これはこれで十分に活用しなくてはもったいないです。
  


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Rさんからの返事 


まず、早速契約をした不動産会社にメールを送り、現在までの状況を尋ねてみました。

現状は、問い合わせはほとんどないとのことで、売り出し価格を徐々に下げて様子をみるしかない、という返事でした。 

また、今契約を辞めたら手数料は発生するかどうかも尋ねましたが、「途中解約の場合、発生することもあるが、今回希望であれば、取り扱いをそのまま中止します」とのお返事でした。 そこで、契約会社の返答と、相談室のアドバイスについて、家族といろいろ相談しました。

主人の意見は、相談室からのアドバイスのように、1年間時々状況を尋ねながら様子を見て、来年の契約終了まで待って売却できなければ、相談室へお願いしてはどうか、ということでした。

12月までに売却出来ない場合、年会費を支払い、そして年内で無効になるポイントを手数料を支払って来年に持ち越すよう手配することにしました。 



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私からの返事 

私もそれが現状ベストの方法だと思います。


更には「必ず今年中に売却してみせる」というお気持ちを持ち、今後は不動産業者の担当者の尻をたたくように状況を聞きだし、そして対策を講じるようにしてみてください。

先日も申しましたように、現実には日々膨大な売り物件と接している不動産業者は、どうしても手数料の低いそれへの優先順位は低くなりがちです。

しかし不動産業者も人の子です。

頻繁に問い合わせをもらっているお客様の物件はどうしても常に頭のどこかに残っています。

どうしても気になり、だから同じ物件ならその気になる物件から紹介しようという気になりがちです。

あまり
しつこくなり過ぎず、でも決して膨大な売り物件の中の一つのままにしないように、ときどき業者へアピールし、自身の物件を業者の優先順位の上位に持っていてもらえるように、連絡は密にやってみてください。


金額を下げることももちろん重要なことですが、こういう普段の目立たぬ努力も実は大切です。

不動産の購入も売却も、信頼できる業者と本来は二人三脚です。

何よりもお互いの信頼感関係が整ってこそ、もっとも素敵な物件と生活が手に入るのだと思っています。
 

どうかがんばってください。



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posted by 海外ロングステイ相談室 at 10:00 | ホノルル ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外ロングステイ相談室の事件簿