あえて繰り返し言わせてもらいますが、万が一自身にこういう災いが起こってしまったら、何よりも「いたずらに不安になることなく、まずは落ち着いて契約書を読み返しポイントを冷静に整理してみて、それでも心配な場合は最寄のハワイ州弁護士へ相談する。」ということが肝心です。
中でも相手に言われるままの金銭の支払いには特に注意をして、まずは状況を正確に把握するためにできることを、そのことを一番最初に考えて、そしてどうか落ち着いてゆっくり一つ一つ順番に対応して行ってください。
どんなに気をつけていても、海外暮らしで(日本暮らしでもそうですが)、トラブルやアクシデントは時として避けようはありません。
しかしそこから派生する二重三重の連鎖被害というものに関してだけは、あなたの初期対応の如何では避けることができるものです。
特に海外暮らしの上での我々の感覚の認識として普段から心がけておくべきことは、日本のように末端の給料の安い従業員までよく教育されているという状況は、世界的な常識からすると相当に稀なことなので、だからこれは何もハワイ生活に限らず、海外生活においては、ともかく時間的な余裕を持って行動することと(日本のようにぎりぎりの状況でも対応してくれるとは思わないこと!)、そして自身からどんどん主張する(日本のように相手は全て分かっている理解していると過信しないこと!)ということが大切になります。
何も怖がる必要はありません。
要は「違う」ということを認めればいいだけです。
だってことトラブルという点から言えば、それこそ日本にいたって避けられないことなので、、、、ですから結局は「それにどう対処するか」、そこだけなのでしょうから。

質問:
はじめまして。お世話になります。
本日、気になる事がありましたのでご意見をいただければ幸いです。
オアフ西地区在住の米国人夫を持つ日本人妻です。夫はミリタリーでデプロイ中です。
私たちが住んでるコンドミアムの部屋のオーナーもミリタリーだそうですが、会ったことはありません。実際の管理はホノルルの管理会社がしていますので、私は家賃も何か不都合があった場合も管理会社の担当の方といつもやり取りをしています。
それでは本題に入ります。
昨日、オーナー宛の封筒が我が家に届きました。
差出人が弁護士オフィスからのようだったので、すぐに管理会社の担当の方にメールをして指示をしてくれるようにお願いしました。
そして、本日「Notice of Mortgagee's Intention to Foreclose Under Power of Sale」という書類を持った男の人が家にやってきました。
差し出された書類には銀行名やオーナーの名前、昨日受け取った弁護士オフィスの名前もありました。Notice の2枚目は公証されたコピーです。
他にExhibit"A"という差し押さえに含まれる項目の説明?のようなもの2枚がついています。
この時、昨日の郵便物の中身が分かったのと同時にオーナーがローンを払っていないという事を知りました。ですが、うちの場合管理会社が管理しているので私は一切関係ないと思いつつも、私にコピーを置いていくと渡されました。
彼はプロセッサーだという事でオーナーの住所がわからず、連絡が取れないとの事でしたので、私が管理会社に連絡しますと答えました。
書類も管理会社に渡すつもりで受領の紙にサインをしました。管理会社の名前も聞かれたので、答えました。
受領の紙はレターサイズ一枚で、ざっと見たところ受け取りの証明に見えたので重要な書類だけにサインがいるのか思いとサインしました。コピー等はもらっていません。
この後彼は同じNoticeのコピーをドアにつけて、自分が来た証明に写真を撮るけど、自分が帰った後はその書類を外してと帰って行きました。
しばらくして、私はその書類を回収して管理会社に電話を入れました。
管理会社でも寝耳に水だったらしいのですが、事情を話すと、まだこれからプロセスが始まるという事なので、心配はいらないと言われました。書類を送って欲しいと言われて、昨日の郵便物と共に書類の1部を送りました。
が、後になって考えると、私は書類ももらわず、サインもせずにただ管理会社へ行ってくれといえばよかったのではないかと思い始め不安になりました。
そもそも、彼がその弁護士オフィスから依頼された人なのかも、今になっては不安です。
名刺等はもらってません。
書類受領のサインも、本当にこういった書類を受け取る時に必要なのかも、わからずにサインしてしまいましたが、間違いだった気がします。
後から調べるとこういった情報は誰でも閲覧出来るとかで、投資家などが動きはじめるとの事も知りました。
びっくりして頭がいっぱいになり、軽々しく受けとってしまった事と、受領のサインをした事が気になってしょうがありません。
これからは気をつけるしかないのですが、この書類受領のサインは一般的な物なのが心配です。
例えば書類を預かった私にもなんらかの責任が生じたらと考えると不安でなりません。
どうぞよろしくお願い致します。

RE:
成る程それは災難ですね。
そしてご心配ご不安になられるお気持ちよく分かります。
さて、添付していただいたこの書類には、「これから物件差押さえ強制執行に入りますよ」という通知書で、「この通知を受け取り、もし内容に対して異議がある場合には何日以内にどこそこへ申し出てください。しかしもしその日までに返答が無い場合には、強制執行に入るので、ここに通知させていただきます。」というような内容が記載されています。
つまり今回の経緯としては、オーナーの連絡先が分からないということで、直接物件に来て、たまたまそこにテナントさんがいたのでお渡しして受領サインをもらったということでしょう。
だからもしそのときあなたが不在だったなら、その相手はご住所宛に郵便物を送り、配達証明をとってそれを以て告知日としたことでしょう。
本件はそういうことでしょうから、あまり深く考えられないほうがいいですよ。
つまりは、言ってみれば、今回たまたまテナントであるあなたがご在宅だったので、郵便局員の代わりに配達証明(のサイン)をさせられたというようなことなので。
ですからあとは管理会社に任せればいいことです。
(といっても管理会社としても何もすることはないでしょうけど、、、。)
余談ですが、ご周知のようにこの辺りの地域には現在たくさんのショートセール物件が多いので、差し押さえたとして、さていつになれば、そしていったいいくらで売れるのやら、、、、、、という問題はありますが、まあもちろんそれは差し押さえる金融機関の問題ですから、テナントには関係のないことですが。
当初の賃貸契約書の記載内容によりますが、今後は少なからず来訪者や手紙の類が届くこともあるでしょうから(もちろんその全てはオーナー宛の、あるいは建物自体に関してのことで、あなたには直接関係しません。あなたはその全てを今後はただ管理会社へ渡し任せてしまえばいいということです。)、ですからそういうのが煩わしいようでしたら、いっそメーリングアドレスを気付で管理会社宛にしてしまうなり、あるいは(もちろん賃貸契約内容にもよりますが、)さっさと新しいレント先を探されるのも選択肢の一つだと思います。

RE: RE:
まず、早速のお返事ありがとうございます。
こんなにすぐいただけるとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。
同時にきちんとお答えいただいて、本当に気持ちがすーっと軽くなりました。
ちゃんと、ご飯を食べる元気が出ました。
結婚して8年になりますが、未だ夫が家を空ける時はどこかで不安ながらもしっかりしなくてはと思いつつ、空回りしてしまうのですが、
いつの間にか英語を含めて、こちらでの生活に慣れていたのか勉強不足を自覚しました。
「海外ロングステイ相談室」のホームページも、ブログを含めいろいろ見せていただきました。
普段考えたこともなかったこと、不動産の事も含めて知ることが出来ました。
難しい事は夫任せな姿勢もどうにかしないとと思わされました。
今後、不動産売買の機会も出てくるだろうし、これを機に勉強しようという気になりました。
いろいろ検索するうちに、海外ロングステイ相談室のホームページを見つけて、よかったと思います。
ホームページから感じたままに、すぐに相談を送ってしまったのですが。
書かれている事は海外で生活する者にとっては、本当にその通りと思わされる所が多々あり、いろんな経験と気持ちの葛藤を繰り返したからこその内容と感じました。
見ず知らずの私にも本当に丁寧に対応していただいて感謝しています。
これからも時々お邪魔させてください。
今回の件は管理会社とオーナーに任せたと割り切ります。
私達は夫の仕事の関係でもうすぐ引っ越す事になりそうです。
というのも、今朝知らせを聞いてすごい偶然にびっくりしましたが。
忙しくなりそうです。
おかげさまで気持ちが楽になりました。
日本語でアドバイスされたり、相談したりと出来る場所はありそうでないのが実情です。
お忙しい中、こういった場所をもうけている事はそう簡単な事ではないと思いますが、ぜひ、これからもお元気で続けていって下さい。
私のように、救われた人達がたくさんいらっしゃるのだと思います。
また、私もお世話になるかもしれませんが、こういう場所があると思うだけで心強いものです。
本当に、ありがとうございました。


思いがけなく舞い込んできた「アクシデント」によりこの事件が起こり、そして同時に同時期に、思いがけないご主人の転勤に伴う引越しという「偶然」で、彼らのこの事件に関する関わりの全てはあっという間に終わりました。
再度敢えて繰り返します。
たとえ世界中のどこにいても私たちは、突然のトラブルやアクシデントは、時として避けようはありません。
ただ、問題は「その後」どう考えどう行動するか、、、、、、、。
初期対応の如何により、派生する二重三重のトラブル回避については、少なくても避けられることはたくさんあると思います。
マハロ
笹本正明
@海外ロングステイ相談室
※ 尚実際のトラブルの場合には、くれぐれも最寄の信頼できる(ハワイ州)弁護士へご相談下さい。

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