少し前まで日本では不動産売買を描いたドラマやっていましたね。
「私に売れない家は、、」、というアレ。
おもしろく観ていると、時に(もちろんドラマだから大きく誇張されていたせいもあったからかもしれません)ハワイの不動産取引と日本の不動産取引の違いを再認識させられることになります。
最終回にあった「二股かけられていたようです、、」
でもこれ、ハワイの不動産取引では有り得ません。
更には、登場していたダメ社員にも、日本のハワイの不動産会社は毎月給料を支払っているのでしょうけど、ハワイの不動産会社ではそれも有り得ません。そもそも不動産会社は基本社員に給料を払いません。(社員?)
例えば、あなたがハワイ旅行へ行き、そして街を車で走りながら見かける「FOR SALE」の看板、日曜日などにはその下に「OPEN HOUSE」のサインも入っていることはよくある光景だと思います。
あなたが例えばそのオープンハウスへ訪れたとします。
そしてそこにいたリアルター(不動産業者)へ、そのオープンハウスの物件について仔細訊いたとします。
見れば見るほど興味が湧いてきて、まだまだ訊ねたりないことがあって、名刺をもらい、後日連絡して、また訊いて、、、いよいよオファーをしようかというところまできたとします。
でもその時にそのリアルターはあなたに一枚の書類を渡しサインを求めることでしょう。
「DUAL AGENT CONSENT ADDENDUM」
つまり、そのリアルターは(もともと)売主のリアルターであります。しかし今後はあなたのリアルターにも正式になりますよ、ついては公平を期すために、両方へアドバイスできることはこの書面に書いてあることに限りますよ、というような内容の書類です。
一般的に買い手のリアルターは、あなたがこの物件を手に入れるにあたり、一番有効なオファーを詳細にアドバイスしてくれることでしょう(何しろ、ハワイのオファー書面は14枚もあり、そこにたくさんの項目があり、更には別紙添付ということもザラです。そして決まったその内容が登記手続きの設計図となるのですから、だからこそこの最初のオファー作成は実に重要なのです。※だからハワイの不動産を購入するときはここをよく説明してくれて且つ丁寧に作成してくれるリアルターを選ぶことは特に大切なことです。)
しかしDUALとなった場合(売り手と買い手のリアルターが同一人物という場合)、こちらにアドバイスをすれば、あちらは立たずとなるので、なかなか有効な特に核心をついたアドバイスが双方にしにくいということになります。
ではそうすれば良いか、、。
それは簡単です。
時間を遡りましょう。
そう、あなたが最初にそのオープンハウスを見に行った後、もしその物件に興味を持ったら、あなたはそのオープンハウスをしているリアルターへではなく、あなたのリアルターへ即向くことです。
つまり(繰り返しますが)オープンハウスをしているリアルターというのは、あくまで売主のリアルターです。
売主の代理人です。
だからあなたはあなたの代理人を決め、代理人を通じて物件内容について訊くことです。
そうすればオファーの際も、あなたのリアルターはあなたの利益のみを最優先してアドバイスしてくれるというものです。
もちろんDUALというのは時に良い手段ではあります(スピード感があるなど、時に良いことはあります。)
しかし多くの場合それはリアルターにとっては良いけど、その割にはお客様にとってはサービス内容が少なくなるということは事実なのです。
(リアルターは両方の代理人となることができるので、結果不動産手数料を買い手のリアルターと分ける必要はありません。両方分丸々手に入れることができます。しかしDUALということで、公平を期すために、売主と買主の両方へのサービス内容は制限されることになります。)
そうDUALで一番恩恵を受けるのは、顧客ではなくリアルターであるということです。
だから次回あなたがハワイへ行き、そしてオープンハウスのサインを見つけたら、見てそして気に入ったら、、あなたはその場にいるリアルターへ直接訊くよりも、(面倒でも)あなたは一度自身の買主のリアルターを決めてから、改めてそのリアルターを通じて訊いてもらう方が、あなたにとっては結果得であるということになるでしょう。
その他にも、あなたが見つけたリアルターは(買い手のリアルター)は、あなたが観た物件以外にも、他にも魅力的な物件を探してもくれることでしょう。つまり改めてオープンハウスで見たそれと客観比較もできるというものです。(興奮状態にある時にはこういう客観比較も大切なことです。)
いや、でも、、、、もしかすると他のリアルターヘ行けば、たくさんのリアルターを廻ればもっともっと別の物件もあったりするのでは?
そこは日本とハワイとの大きな違いの一つです。
そもそも日本では一般媒介という制度があります。
これは、売り手がいくつもの不動産会社から同時に物件を売りに出しても良い媒介方法です。
だからともすると各不動産会社で細かな条件が違っている場合だって有り得ます。
そしてこういう制度だと、当然、物件の囲い込みも起こりえます。
あそこの不動産会社では紹介してくれたけど、こちらでは紹介してくれない、ということも起こりえます。
つまり不動産会社により物件が違う、だから日本の不動産探しの場合は、不動産会社をたくさん廻る、廻らない限りたくさん見れない、ということが起こるのでしょう。
一方ハワイの不動産は、一般媒介という制度はありません。
全てが専属専任媒介のみとなります。
この媒介方法の特徴は、物件を売ることのできるリアルターは一人だけということです。
つまり売り手のリアルターは世界中でただ一人だけということです。
他のリアルターはこの物件を売ることはできません。
他のリアルターができることは買手側のリアルターとなることだけです。
ものすごくシンプルです。
さて、そうなるとどうなるか、、。
当然囲い込みはなくなります。意味ありませんから。
あと、二股をかけられるということもなくなります。(もし、同じ物件に、あなたが最初はAというリアルターを通じてコンタクトして、その後Bというリアルターを通じてコンタクトしたら、当然売り手のリアルターをからAにもBにもその連絡が行くことでしょう。そしてハワイではそういうことはダメですよ、と教えてくれるはずです。そもそも、このシステムでは(物件の細かな条件が違うということはないので)二股かける意味などないですが、、)
さて、ハワイの不動産会社は(というより米国の不動産会社は)、社員に給料を支払いません。
もちろん社長(ブローカー)秘書とかそういう職業の人には、ブローカーが自身雇いで支払うことはあります。
しかし少なくても、そこに席を置いているリアルターたちに会社から給料を支払うことはありません。
その逆です、リアルターたちが会社へ(ブローカーへ)家賃というか名義借り料というかそういう費用を支払います。
Aと云うリアルターは、リアルターになり5年未満の場合、まだブローカーにはなれません。
(ブローカーというのは独立開業できる資格のあるリアルターのことです。)
だから最初は、大抵は一般に名の知られている有名な不動産会社のフランチャイズの不動産会社へ勤めるの一般的です(その方が仕事が来やすいので。)
もちろんそこでも給料はありません。
リアルターの場合一軒売ると、その手数料が入ってきます、それが収入です。
そしてそこからブローカーへの費用(大抵のお客さんはそのリアルターへではなくその有名な会社名ゆえにお客となったのですからね)、移動のためのガソリン代、看板設置の費用、電話代ネット代、その他全ての費用が自身の経費となり全て手弁当で持ち出しとなります。
日本でいうとフランチャイズのコンビニエンスストアのようなものです。
皆個人事業主ということです。
そうなると、中には仕事を選ぶリアルターも出てくるのも当然です。
値段の高い物件も安い物件も、売れ筋の物件もそうでない物件も、同じ手間です。
売るためにはまずは看板を設置し、その他に、天気の良い日を選び写真を撮り、できれば動画も撮り、更には見栄えを良くするためにインテリアにすら手を加えたり、、
さて、それをしていくらになるか、算段をするリアルターも当然少なくないです。
とすれば売れる場所を、売りやすい場所を、もっと言えば同じ手間なら値段の高い物件を(%の手数料ですから、、)、、、ビジネスです、そういうことを考えて当たり前です。
でも売れにくい物件だから、利益が少なすぎる物件だからと、もちろん露骨に断ることはできません。
その場合、手間暇経費のかかることはできるだけやらずに、申し訳ないけど少ない写真でお茶を濁し、あとはMLSに載せてそれきり、、、(もちろん皆が皆ではありませんが)そういうリアルターが少なからずいるのも確かです。これも現実です。
ハワイの不動産は専属専任のみで、方法は確かにシンプルです。
でもハワイの不動産はそれこそ、数億ドルの物件の市場がザラであり、でもその対極にビッグアイランドのプナ地区の空き地不動産のように数千ドルの厳しい市場も現実に存在しています。
シンプルだからこそ、リアルター選びは重要なのです。
地の利はあるか、誠実か(特に安い物件の場合は大切なことです、安い物件の方が売れにくく、そしてリアルターにとっては割が合わないものですので)、技術はあるか(特に写真とか動画の)、、、。
どういう物件を買うか、売るか、それにより選ぶべきリアルターは全くに違います。
そして繰り返しますが、ハワイでは専属専任のみです。
日本の不動産選びの感覚で、あちこちへはいけません。
専属専任なので、一人のリアルターを通じて全ての物件を見ることが知ることができるのです。
(これはハワイ不動産選びの長所です。)
でもだからこそ、最初が肝心です。
ハワイの場合、良い物件を手に入れるには、まずは良いリアルターに出会う事、です。
これが全てと言っても過言ではないでしょう。
オファーは14枚たくさんの項目があります。
面倒臭がらずに、最も買い手(自身の顧客)のためを思ってアドバイスしてくれるリアルターを探してください。
ハワイは相変わらず好景気です。
不動産売買はずっと好調です。
なので、リアルターは常に大忙しです。
でもそんな時だから、その人がわかるというものです。
たとえ安い物件だからといって、おざなりにしない。
オファーをする際に、毎回同じ定型のやり方だけを用いない(顧客も物件も皆唯一無二であるのですから。)
あとはハワイという雰囲気に惑わされずに、普通にちゃんと人を見ることです。
「ハワイですから、、」という言葉で納得しないで、どんどん更なる質問することです。
日本の不動産とハワイの不動産は、やり方もシステムも違います。
でも「人」は、外国だろうとどこだろうとそれほど変わらないはずです。
そして、その見る目は、当然あなたは持っているはずです。
あとは普段のその目をハワイでも保っていることだけです。
つまり(わかる人にはわかりますね)ハワイには特有の魔法があります。
行くとついその魔法にかかりがちです。
だからそれだけには要注意ですね。
日本では売れない不動産は確かにあるでしょう。
でも、「ハワイで売れない不動産はありません。」
値段さえ合えば、地球上のどこかに買い手はいます、そういう稀有な市場なのです、ここは。
「海外ロングステイ相談室」ができて今年で8年になります。
でも最初の頃となーんにも変わってはいません。
いつでもここはあなたのための個人的な相談室です。
今思案中の方、セカンドオピニオンが欲しい人、どうかお気軽に何でも訊いて下さい。
Warmest Aloha,
笹本正明
海外ロングステイ相談室
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タグ:家売る女