2011年08月03日

ハワイ島不動産の名義変更(裏技)

「海外ロングステイ相談室」にハワイ島不動産の名義変更に関する質問を頂戴しました。

この質問には多くの日本人の方々がきっとそう考えられるだろう、そこには日本とハワイの不動産取引商習慣の違いによる誤解が相当に詰まっているように思いましたので、個人情報を伏せた上で本記事に記載し、そして質問にお答えしながら、できる限りその誤解を解いていけたらと考えています。



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質問:

ハワイ島プナにある我が家の土地のことですが、昨年笹本さんを通じてハワイ郡や分譲地のアソシエーションへ住所変更届けを出して頂いたので、固定資産税の請求書や、分譲地規約や議事録などの全ては、お蔭様で川崎の自宅に届くようになったのですが、、、、ところで我が家の土地とはいえ土地の名義は、私の単独名義です。まだまだ先のことではあるでしょうが、いずれ私が先に死んだ時には、面倒な手続きなどを妻や娘にさせるのもどうかとも思い、そこで、最近考えていることは、まさにジョイントテナンシーで妻と子供3人の共有名義にしたらどうかなぁ〜と思っていたところです。必要な書類や費用についてどうか教えていただきたく、また宜しくお願いします。

ところで住所変更いただいたということはハワイ州の「登記簿謄本」に記載されている住所が以前の例の会社の気付住所から私の川崎の自宅の住所に記載変更されているということですよね?

土地の売買契約書(WARRANTY DEED)では 私の住所は例の会社の気付住所になっていますが将来的に問題が生じますか?



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返答:


おそらくはこれは日本の方の多くが同じように誤解されることなのではと思います。


まずハワイ州には(米国全て)には登記簿謄本というものがそもそもありません。

あるのはDEEDだけです。

またDEEDには何種類かあり、一般的な売買登記の多くの場合には、Warranty Deed が用いられます。



ハワイ州には(米国全部で)日本と違い住民票というものもないし、戸籍謄本もありません。


本籍という概念すらありません。


日本での登記簿謄本の類には本籍地などを記入するのでしょうが、そういうもののないあちらでは、本人を特定するための手段の一つとして例えば配偶者情報をDEEDに記載します。

もちろんそれ以前に米国にはソーシャルセキュリティー番号があり、それにより本人を特定できてはいます。

米国では住所というのは言ってみればただのメーリングアドレス(郵便住所)という意味です。
引越しの多い国民性もあり、郵便住所など頻繁に変化するというのが大前提です。
そういう理由だけではないのですが、日本と違いあちらでは私書箱をごく一般的に使用します。DEEDにも私書箱の番号を住所として記載しているケースも相当数あります。


またDEEDそもそもの意味としても、日本でいういわゆる登記簿謄本とは性質が違います。

DEEDとは、あくまで登記移転手続きの時にその度ごとに作られる書類のことで、言ってみれば言葉は大変悪いですが使い捨ての書類です。

仮に無くしてしまっても、登記所から4ドル程度でコピーをいつでも取り寄せることができるので、もし必要な場合があったとしてもそれで十分ことが足ります。


余談ではありますが、登記後必要となるのは、購入時のエスクロー明細であるファイナルステートメントだけです。
これは後日確定申告を希望される場合には公的書類となるのでその際には必ず必要となります。(エスクローでは7年間保管の義務がありますが、それ以降は破棄されるので、これに関しては登記後にすぐ自身でもパソコンのどこかに保管しておくなどしてデータをバックアップしていたほうがよいでしょう。)





尚、住所変更などのことは、郡役所のデータベースのデータは届出と同時に変わりますが、しかしその時にDEEDの記載内容に変化はありません。

DEEDの記載内容が変わるのはDEEDが新しく作られるとき、つまり登記移転時だけとなります。


ただこの登記移転というのには、売買のときだけでなく、今回考えていられる名義変更のときも、これも登記移転なので、ですから当然今までのDEEDが破棄され、新しいDEEDが発行されハワイ州登記所へ登記され、そしてお手元にも郵送されることになります。(ですからこのときには日本のご自身の住所が新しいDEEDに載るということでもあります。)







「名義変更」に関しては、特に日本人オーナーにとっては、存命のうちからこのような話題をすることを忌み嫌う傾向があり、ですからお亡くなりになり、ようやくその手続きをご遺族が行わねばならなくなったときに、あたふたと始めるのが普通です。
しかしそういうときには、既にできる選択肢がほぼ限られている状況となっております。
お金も相当にかかることになるし、時間も相当に長くかかります。
何より遺された人たちに取り、これは相当なタフな作業だと思います。


ですからあくまで私の個人的考えですが、できればハワイ不動産は、一番最初の購入時からこのことを念頭において、名義を選択されるべきと思っております。



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ハワイ郡(ハワイ島)の不動産の場合、「相続」に関しては第三巡回裁判所を通じて「検認」手続きにより相続されることになります。(ちなみにホノルル郡の管轄は第一巡回裁判所、マウイ郡は第二となります)

またかかる費用は名義人の死亡年の不動産評価額により変動します。そして検認にかかる日数は通常約1年です。(相続手続きの際には、必ず一定期間ハワイの新聞紙上などで、他に相続人がいないかどうか確かめる広告を載せることが義務付けられているためです。)


つまりお金もそうですが、手間隙と、そして時間がかなりかかります。



ですからそういう煩雑な手続きを避けるために、オーナーが存命のうちからできる手続きとして、名義人を追加するということは今のうちに当然考えておいてもいいことと僕は思います。






たとえば今回現在の単独名義から、奥様お子様をも含めた共有名義へ変更する場合のことを簡単にご説明いたします。


まずこの手続きは売買手続きの時と同様にエスクローを通じて最終的にハワイ州登記所へ書類を提出する方法で行います。


また一概に共有名義といっても大きく2種類あり、ひとつはジョイントテナンシーというもので、この名義は名義人のどなたかが亡くなった場合でも相続手続きなしで自動的に存命者へその方の権利が移る名義です。

ですからこのジョイントテナンシーを選択した場合は、最後に残られたお一人が亡くなられるまでは相続手続きは不要ということになります。



もうひとつは、インコモンというもので、これは例えば3名で所有する場合それぞれの権利配分を33.33%、33.33%、33.34%と予め決定しておき、そして万一どなたかが亡くなられた場合、その権利はあくまでそれぞれの方の法定相続人へと相続されるというもので、ですからこの方法ですと相続手続きはその度に必要となります。



※しかし上記ジョイントとインコモンでも一長一短あります。例えばジョイントで兄弟がハワイ島不動産を所有していた場合、もし長兄が先にお亡くなりになった場合、しかし長兄のお子さんには、当該不動産の権利はまったくなくなることになります。長兄が亡くなった時点で、残った弟の単独名義となり、そして弟が亡くなったときには弟の法定相続人に相続されることになります。

 
また今回は家族間での名義変更ということでしたが、もちろん法人間、他者間でも、同じようにDEEDを作成することにより、売買以外の方法での名義変更や権利移転をすることが可能です。

方法や種類は、かなりたくさんあるので、ここでそれを全てご紹介することは難しいですが、ひとつ共通して言えることは、今現在現名義人の足並みが揃うならば、相当に安価で、簡単に、名義変更や権利移転をすることができます。




たった一人の名義人が亡くなった、、、、、。

名義人であった法人が倒産した、、、、、、。


やはりこうなってしまってからだと、時間も費用もそれなりにかかりますし、必要な書類や手続きが多くなり、手間隙が相当にかかります。



名義変更、権利移譲、など、もし将来的にそういうことを考えられているとしたら、まずはお気軽にご質問下さい。 


マハロ&アフイホウ
笹本正明

海外ロングステイ相談室

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posted by 海外ロングステイ相談室 at 10:02 | ホノルル ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○ハワイ不動産の裏技
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