2011年10月17日

ハワイ島不動産の相続手続き(変更事項)

ハワイの不動産の相続手続きに関するお話です。

まず、ハワイ州の相続手続きはそれぞれの郡を管轄する各裁判所を通じて行われます。
ホノルル郡(オアフ島)では第一巡回裁判所、マウイ郡(マウイ、ラナイ、モロカイ島)では第二巡回裁判所、そしてハワイ郡(ハワイ島)でのプロベート(検認)手続きは第三巡回裁判所を通じて、ということです。(ちなみにカウワイは第四です)
 

また手続き経費の算出を決めるものは所有者の死亡年度の課税評価額です。
ちなみにこのブログでおなじみのハワイ島東側に位置するプナ地区の空き地不動産(土地のみ)の、ハワイ郡の課税評価額のその多くは5千ドル程度からせいぜい2、3万ドルという幅にあるものが多く、実際固定資産税も年間100ドル前後とかせいぜい300ドル程度の、サウスコハラやカイルアコナなどのリゾート地区の空き地不動産の数分の一、数十分の一というリーズナブルさです。
つまりこの地の相続なら手続き経費もあまり大きくはならないということです。

そして米国では日本で言うところの相続税というものがなく(遺産税というものはあります)、そしてある一定の決まった金額以上でなければ遺産税も発生しないので、我々非居住外国人のように相続時には当該不動産のみが対象という場合(動産、不動産、他には米国内で財産がない)、特にそれがここハワイ島プナ地区の空き地不動産を対象にした場合、その多くはシンプルなプロベート手続きをただ直接第三巡回裁判所と通じて行うことで十分だし、この方法でリーズナブルに所有権を移譲することができるということです。

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具体的には、たとえば評価額15000ドルのハワイ島プナ地区のある空き地不動産、一区画のみを相続する場合、実際に遺産税が発生する金額にはまったくに程遠いし、また同時にこの評価額なら手続きの一部が免除されるいわゆる簡易手続きに当たるケースになるので、ですからこういう事例の場合にはわざわざ州弁護士などを頼らなくても直接第三巡回裁判所を通じて、安く、早く、シンプルに手続きをすべき案件だといえます。
(実際にこういうケースの場合、仮に州弁護士に依頼しても、その見積書には通常、@裁判所へ直接行った場合はいくらいくらかかる、A当事務所にて行った場合はいくらいくらかかる、ついてはAを選択される場合には当事務所宛に費用をお送り下さい、というようなことがきちんと記載されているものです。)  


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話は少し変りますが、今ハワイ島プナ地区へ空き地不動産を所有する非居住外国人の多くが直面してる問題として、所有者の代変りがあります。

普段からこのブログをご覧頂いてる方たちならよくご存知でしょうが、このハワイ島プナ地区には相当数の日本人所有区画があり、しかもそのほとんどは空き地不動産です。

さらにはその所有者の多くは一度も自身のその区画を見たこともないという方が大多数という、まさに稀有な地域です。


最近になってようやく問題が表面化しつつある、昔からこの地域を食い物としていた(いる)日本のハワイ不動産会社数社にまつわる事件についての見聞などから、当時現地で実際に流通していた(いる)不動産価格の数倍、数十倍で購入させられた方たちがあまりに多かった(多い)ということが分かってきています。

ホノルルのワイキキ、カイルアコナ周辺のコハラリゾートなどと違い、ハワイ島プナは日本人にほとんど知られていない地域です。まさにそういう地域だからこその所業なのでしょう。

実際にこの地の不動産は日本の多くの人たちの持つハワイというイメージからみたら、あまりに格安で(たとえそれが既に数倍の価格へ転化させられた後の価格であってもです)、何より広大な夢のような土地と映ったことでしょう。


しかし時は移り、今このネット全盛の情報社会となり、居ながらにして航空写真すら簡単に見ることもできる世の中にまで急速に変化し、そのからくりや、真実は、今ようやくに、少しずつ明らかになってきました。

しかし一方今度は、最初の嘘の情報での購入が災いして、いつしか真実でないことを長いこと信じ込んでいるうちに、事実を無視し、逆視し、そういうことによる弊害も出てきています。


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たとえば、固定資産税の支払いはしているけど、自治管理組合への支払いはしていない、という方たち、、、。

つまり自治管理組合には自分は加入していないから支払う義務はないと考えられている方たちです。

また支払って欲しければせめて日本語できちんと頼んできなさい、と考えられている方たち、、、。

自治管理組合の成り立ちや、そもそもここが小さな政府のような大きな権限を与えられていることを、最初に購入時に説明を受けていないことからの悲劇です。


支払い義務のあるものと、任意のものとの違いが、残念ながら最初にまったく伝わっていないのです。


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実際ここはハワイの不動産で、当然ここは外国の地です。


ですから、日本ではこうだ、と言われる以前に、まずは所有者としてこの地の決まりを認識し、そしてその義務を果たすようにするのは、やはりそれは異国に不動産を持つものとしての責任です。

現実に広大な土地を所有しているのです。

不動産は金やプラチナとは違い、どこかに、たんすの中にでもしまって置くというわけにはいかないのです。

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空き地不動産なら、当然生のままです。

熱帯の植物が自由に生い茂り、鳥が鳴き、そういう場所です。

当然その区画の木々の成長についてはもちろん、また区画への不法投棄にさえも、その一切合財の管理責任は区画所有者にあります。

実際見たことないまま、そのままほったらかしていいということには本来ならないのです。

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また日本の方の多くはどうしても日本での不動産事情を基準にいろいろお考えになられるでしょうから、たとえば投機目的で空き地不動産を購入されるということがごく自然な行為なのだと思い込み易いのでしょうが、実際には米国の不動産市場では短期ならともかく、長期間空き地のまま不動産を所有し続けるという行為はまず信じにくいものです。


そもそも米国の空き地不動産とは、日本のように何もかも揃ったそれを指すのではなく、まったくの生土地です。

不動産とは整地しインフラを整備し、、、そういう過程を経て初めて価値ある商品として流通するもの、というのがあちら流です。
 

このハワイ島プナ地区のように多くの区画が今尚多くの日本人所有者の名前で(しかも日本在住の)、相当に長い間空き地のままで所有し続けられている、こういうハワイの常識ではおよそ考えにくいことが現実にあまりに多くあるということ、、、、、幾度現地の友人や仕事仲間に、なぜ、日本人は?という質問を問いかけられたか数知れません。 


いろいろな問題が出てきています。
そしてこれはこの先、時間の経過と供に、もっと増え、そして問題の解決はますます困難となってくることでしょう。

所有者はどんどん高齢化してきています。

今、そして今後の大きな問題は、所有者が亡くなってしまっている区画がどんどん多くなってきているということです。
 

放って置いて、勝手に競売でもなんでもしてくれ、、、、というのはどう考えても無責任です。



ましてそこは異国です。
どうしてハワイの人たちの貴重な税金や、そこの地域の自治管理組合費で、身勝手な日本人の後始末をしなくてはならないのでしょう。

嫌が応にもその後始末に関わらなくてはならなくなったハワイの人たちの手間隙を、どうしてそんなに軽んじていられるのでしょう。


たとえどんな理由があったにせよ購入したのはあなたである以上、たとえどんな手間隙がかかろうともその始末もあなたがつけなくてはなりません。


正直、、、実際に競売になったところで、経費でアシが出てしまうことでしょう。

不足分は相当に残ることでしょう。

ハワイ州は個人債務を取る州ですから、もしかしたら海を越えていずれその請求が日本の裁判所を通じてあなた(遺族)のもとに届くこともあるかもしれませんけど、でもご安心ください、今のところは(たぶん?)ハワイ郡も自治組合もそこまでの手間隙はかけないでしょう(もちろんこの先のことまでは分かりませんが)。


とすれば、結局はあなたの長年の責任放棄のためにハワイの住民の貴重な税金は使われ、貴重な労力は無駄にされることになります。
 



不動産はかの地にしっかりずっと存在しています。

自然は成長します。

問題を先送りすればするほど状況はもっと悪くなるのです。
     



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さて、こういう状況の最中、先日長い付き合いがあるハワイ州巡回裁判所の係員から、システムの変更についての連絡をもらいました。


要点だけ簡単に説明しますと、「今までハワイ州巡回裁判所で行ってきたプロベート(検認手続き)に関しては、今後は当事者の死亡後5年を経た案件に関しては、裁判所での直接の手続きを受け付けないことになった。」ということです。 


つまり
今後は、当事者死亡後5年を経た不動産に関しては、もう巡回裁判所での相続手続きができないということです。  




さて
それでは所有者死亡後5年を経過した不動産についてはどうしたらよいか、、、。


これにかんしてはプロベートではなく、デタミネイション・オブ・ヘアーズ(相続人の選任)という手続きを取るという方法を選ぶ以外にありません。

プロベートの場合なら、相続時に法定相続人が相続します。

しかしデタミネイション・オブ・ヘアーズの場合は、実際にはもう既に相続手続きの期限切れということになっているので、当該不動産の新オーナーは手続きを経て故人の配偶者単独の名義となるケースがほとんどで、つまり多くの場合その子供たちは権利を失ってしまうことになります。
そもそもデタミネイション・オブ・ヘアーズとは相続手続きではなく、相続手続きができなくなった遺産に対しての暫定措置というような意味のもので、ですからたとえば配偶者がご高齢で本来はジョイントテナンシーなどの複数名義にしておきたかった場合でも、一旦デタミネイション・オブ・ヘアーズを経て、改めて別途名義変更などの手続きをしなくてはならなくなるのです。

またプロベートなら前途したように、巡回裁判所を通じて直接することができ費用は相当にリーズナブルにすることができますが、しかしデタミネイション・オブ・ヘアーズは個人では行えず、必ず州弁護士を通じて行わなければならず、しかもその費用にしても、それはプロベートを弁護士を通じて行った場合より更に高額な手続きとなってしまいます。

さらにはどの弁護士を通じて行うかにより、当然費用はまちまちで、また日本のご遺族がこの手続きを行う場合間に通訳などを入れる場合がほとんどでしょうから、トータルの費用は本当に大きなものとなってしまいます。
 


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今回はたまたま5年までということで決まったようですが、しかしこういうことはある日突然また変更されることはよくあることです。

ですからいずれにしても、特にいつかしなくてはならないことは、やはりできるだけ早くするに越したことはないと思います。それもできるなら費用も手間も抑えられるうちにです。 



不動産を持つことは自由ですが、やはりそこには責任が生じるのです。


マハロ
笹本正明
海外ロングステイ相談室  
  

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posted by 海外ロングステイ相談室 at 10:58 | ホノルル ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○ハワイ不動産相続
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