2018年05月06日

ハワイ島の火山(ラバゾーンという情報)

僕たちは忘れてしまう。

僅か4年前、あれは2014年夏にキラウエア火山(今回のと同じプウオオ火口)から地下を伝い、ゆっくりゆっくりとパホアの町の方へと流れた溶岩が、ようやくに勢いを失くして冷え固まったのが2015年の冬だった。

その後しばらくして、まるで何事もなかったかのように、もともと計画されていたパホアの交差点の工事計画は再開され、そしてそこは真新しいラウンドアバウト式の交差点へと生まれ変わり、その周囲には新たなショッピングセンターも増設され、地域はあっという間に元の、いやそれ以上の活況を取り戻そうとしていた。
加えて不動産マーケットも、以前のそれを超え、それ以上の好況へと住宅需要は次第に増えていっていた。
正にその最中、今回の火山噴火となった。


プナ地区は、ハワイ州でこの20年間で最も人口が増えた地区でもある。
その最大の要因は、不動産価格の手頃さとヒロ市までのアクセスの良さからだろう。
そういうことからも、ただでさえ外からの移住者の多いハワイで、このハワイ島プナ地区のその数は群をぬく。

ハワイ島は火山の島だ。
もちろんこんなことは誰もが知っている。
しかしそれを自分の身に置き換えてというのは実に難しいことだ
ボルケーノ公園へ火山の噴火を見にはいくけれど、でもまさか自分の裏庭から溶岩が噴出するなど思いはしない。

でもそれはあり得るのだ。
しかもそれはかなりの確率でわかっていたことでもあるのだ。
何しろそこはレイラニなのだから。

お祖父さんやお祖母さん、そして親戚たちと共に長くこの地に暮らしてきたロコ達なら、まずこのレイラニに、昨今流行りのモダンな建築など決して建てないだろう。だってそこはレイラニだから。


今我々は情報をネットやS N Sで瞬時に知ることができる。
でももちろんそれは万能ではない。長い年月とともに言い伝えられてきた民の知に比べて時にあまりに脆い。

4年前、あれだけ長い距離を進んできた溶岩流が、なぜずっと野の下ばかりを流れてきたのか、
なぜ住宅地を根こそぎ焼かずに進んで来れたのか、
つまりそれは、そういう地域には、溶岩が流れていた地域にはサブディビジョン(地域や分譲地のこと)がなかったからなのだ。
ハワイ島では、人間と溶岩との長い共存の歴史から、自ずと住み分けがなされていたのだろう。

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今回の活動の活発化で影響が出ている地域は右下の青丸の地域となります。
(なので他地域は、今回の火山活動の影響は全くありません。)

次にハワイ郡役所からのラバゾーンマップ(火山危険度地図)を添付します。

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ラバゾーンマップとは活火山の島であるハワイ島ならではのもので、危険度を9段階に記して開示してあります。
数字が低いほど危険度は高くなり、2以下の地域だと一般の保険会社では住宅火災保険にもなかなか入れてくれませんし、住宅ローンの審査も通りにくいです。

今回溶岩が地上から噴き上がった地域はプナ地区パホアのレイラニという地域で、ここのラバゾーンは最大の1です。(紫色の帯。)

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また、これはUSGS(全米地質学研究所)からの地図で、今回レイラニで溶岩流の噴出が始まったこの5月3日から5日の間の、噴出地点を順番に1から8で記しています。(尚左の薄いピンクの帯は2014年の時のパホア町の中心へ迫った時の溶岩流の残図です。)
そしてこの地図上に、上のラバゾーンマップの1の紫色の帯の位置を、赤いマジックで書き加えてみました。

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すっかり重なるのです。
ラバゾーン1というのは、活火山の島での火山危険度最大の地域なのです。

家の地下に溶岩の通り道がある地域なのです。

IMG_0286.JPG

尚この図は1955年の時の噴火のものです。

比較的今回のパターンと似ています。
なのであとは火山のエネルギー次第です。もしエネルギーが大きければ、このままカポホの方へと更に溶岩は流れていくのでしょう。もしエネルギーが小さければ、これ以上は進まずにそのうちに冷えて固まるのでしょう。

ただ今回のマグマのエネルギーはやはり大きいのでしょうね。
何しろマグニチュード6.9の地震まで起こり、その余震は今でもあるし、遠いヒロでもその揺れはあるのですから。


外からの住民が多いという土地柄のハワイでは、特に地震にはとても驚く人は多いことと思います。生まれて初めての経験という人だって結構いることでしょう。

それにそもそもハワイ島は、日本同様に火山の島で地震の島であるのに、大きく体感できる地震の数が日本と比べると非常に少ないので、建築も日本のような耐震構造にもなってなく、だから余計に今回のそれは驚きだったことでしょう。
しかもこの規模の地震にしても1975年以来ということのようですし、こうなるともう現在のハワイ島の住民達は、ただただ驚きと不安ということしかないのだと思います。


ハワイ島の文化はそもそも、その火山との長い歴史と付き合いから、ペレ信仰やフラが生まれ、アロハの慈愛も培われてきたのかもしれません。
それは例えば鹿児島の人と桜島との関わりとも少し似ている気がします。
鹿児島で昔からの商店街では、毎日火山灰を掃くことは日常です。
明日の火山灰は多いか少ないかをラジオとかテレビで伝えています。
それは代々そうで、これからもそうなのでしょう。
なんとなくそういう感じと似た風に思います。火山は決して非日常のことではないのですね。

いつものようにまた話が脱線してしまいました。


今回のレイラニのそれはラバゾーンという観点から見れば、やはりかなりの確率で起こり得たことです。
だから当然これは天変地異でもなければ、地球がどうのという問題でもないでしょう。

こんな時に困るのは、風評被害です。
ここ以外も危険だと、例えばラバゾーン3の地域であるにも関わらず、同じプナ地区ということで、同じように思われてしまうなどとかです。
風評は、現代のネットやS N Sというのは瞬時に広く運んでしまい、しかしその後は全くフォローもありません。発信し、それきりです。


実は、このラバゾーンマップ以外にも、フラッドゾーンマップ(洪水・津波危険度地図)などや、ハワイで不動産を購入する際には、それ以外にもたくさんたくさん情報は開示され提供されているのです。

そういうことを知ることです。
の上での購入ということなら、自由の国ですから、もちろんあとは自己責任です。

例え自身では読めない場合でも、業者からどうかそういう情報を伝えてもらって下さい。


これはある意味機会です。
この際もっと昔を振り返ってもいいのかと思います。
これだけ外からの人が増えたのです。
やはり火山や津波の脅威が日常的にあるハワイ島という、その歴史についても、もう一度知っておくことはとても大切なことのように思います。

今回被害に遭われた方には本当に気の毒でなりません。
ただ幸いなことに、あの時もそうでしたが、郡や州や連邦の素早い動きは本当に頼れます。
そして寄付のことなども、これからどんどん発信されていくことでしょう。


一方僕たちは、風評被害には気をつけるようにです。不安増にならないように、正確な情報をつかむことです。

その一つとして今回添付したラバゾーンマップなどが少しでもその参考になれば幸いです。

アロハ

笹本正明

posted by 海外ロングステイ相談室 at 15:05 | ホノルル ☁ | Comment(0) | ○ハワイ不動産の売却
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