2019年02月01日

エスクロー

不動産登記手続きにエスクローを通すことが、ハワイでの一般的なスタイルであり、これによりかなりの部分安心安全を担保してくれているわけではあるけれど、でも時にこのシステムがあるが故に厄介となることだってあります。
(※尚エスクローを通せば、全てにおいて安心安全ということでは必ずしもありません。エスクローはあくまで契約書の内容に則って、これに忠実に進めて行くので、つまり最も重要となるのは、根本の契約書の内容そのものとなります。)

例えば「瑕疵」が見つかったときなどそうです。
それもこの瑕疵は必ずしも物件に関するものだけではなく、売主や買主に関するものも含まれます。

一例として、サトウイチローさんという日本人所有のハワイ島土地不動産の売却時に、エスクローからの最初の報告書の中に、サトウ A イチローという人物の訴訟やあるいは国税滞納の記録が出てきたとします。この場合、このサトウ A イチローという人物と自身とが同一人物ではないという証をしない限り、エスクローは当該登記手続きを進めることはしません。登記手続きが止まってしまうのです。

この報告書は全米の記録全てから照会されます。そこには国税滞納以外にも、幼児虐待、性犯罪、麻薬等々、様々な犯罪の今が照会されます。仮にもし売主か買主がその人物本人なら、問題の訴訟の解決まで不動産登記手続きはペンディングとなるのです。

この場合もちろん、日本在住の日本人のサトウイチローさんにとっては、全く関係の無い話です。
ただの同姓同名です。まるで出会い頭の交通事故のようなものです。
でも文句を言ってみたところで、エスクローは聞いてはくれません。そういうルールがあり、ルールに厳格に則って進めるのがエスクローというところなのですから。

こういう場合には宣誓供述書(アフィダビット)を作成することになります。
私はこの人物ではないことを宣誓するわけですね。
この宣誓供述書はハワイ州弁護士が作成します。費用は数十ドルです。
そして宣誓は公証役場で行います。尚ハワイのエスクローには公証人の資格のあるエスクロー官が多いので、オフィスへ赴き、そこでサイン認証をするのが一般的です。そしてこの場合認証費用は無料となる場合も多いです。
しかし、サトウさんは日本に住む日本人です。
そうなると米国領事館でか、あるいは最寄りの公証役場でこの手続きをしなくてはなりません。
日本の公証役場での費用は、こういう場合今現在一通につき11500円かかります。
全く関係の無い、たまたま同姓同名の人間が起こした犯罪に対して、まさに理不尽な出費です。
しかし致し方ありません。耐え忍び甘受するより方法はありません。

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こういう納得しきれないルールは他にもいくつかあります。

例えばランドコート式(土地裁判所式)とレギュラー式(標準登記式)とがあるハワイ州の不動産登記システムの違いによるものもそうでしょう。

日本人所有者の多いハワイ島プナ地区のハワイアンパラダイスパークという分譲地は前者のランドコート式の登記システムとなります。
そして同様に日本人所有者の多い同じプナ地区のハワイアンショアーズは後者のレギュラー式です。

もし夫婦共有名義形態でハワイアンショアーズの土地を所有していて、配偶者が亡くなったことを機に売却となった場合、このレギュラー式の場合には、故人の死亡証明の原本と訳文のみの提出でエスクロー手続きを進めていくことが可能です。
しかし一方のランドコート式のハワイアンパラダイスパークではそうとはなりません。
所有者の申請書と翻訳者の宣誓供述書が必要となります。そしてこの二通には公証役場でのサイン認証も必要となるのです。
つまりこの二通をまずハワイ州弁護士から作成してもらうための費用と、日本の公証役場でかかる2件分の費用がランドコート式の地域では余分にかかってしまうということなのです。

「そんなの知らなかった」、「そんなの聞かされていなかった」と言っても、既に所有者である以上もうどうにもなりません。受け入れて、粛々と進めるしかありません。



実は今現在、売り出し依頼のあったプナ地区の土地を調査しようとして、しかしそこに廃車が不法投棄されており、売り出しをペンディングとしています。
当たり前です。こんなものがあってきれいな写真は撮れませんし、そもそも買主だってつきません。

受け入れて、そしてやるべきことを粛々とするだけです。
まず最寄りの警察に手紙を出し、車の所有者へ通知してもらうように手配しました。
見つかれば良いです。
しかしマン万が一、所有者が見つからない場合には、こちらで廃車の撤去をしなくてはならなくなります。
もちろん納得などできるはずはありません。
でもこれもやるしか他に道はありません。

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本来はそうなる前に、、、、、、

言われなくたって、そんなのわかっています

もちろん、

でも、




「海外ロングステイ相談室」ができて、今年で12年目となります。
でも最初の頃となーんにも変わってはいません。
いつでもここは、あなたのための個人的な相談室です。


笹本正明

海外ロングステイ相談室
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posted by 海外ロングステイ相談室 at 11:42 | ホノルル ☔ | Comment(0) | ○ハワイ不動産の売却
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