2008年06月09日

その人のきっかけ #1

アメリカ在住のHさんの場合

今朝知り合いからHさんについてのニュースが入ってきましました。

どうやら先月でお店閉めたとのこと、、、、。


ここ一、二ヶ月そういううわさはあったから、やっぱり残念です。
でも別の知り合いからの話しでは、クパティーノで再開するとの話し。
だといいな。
是非そうあってほしい。

69.jpg


Hさん、もう数年会っていない。

でもきっといつかまた、会いたい、必ず会えると思う。

いろいろあった。
いい思い出たくさんある。
迷惑もたくさんかけた。

思い出すたびに鼻の奥に鈍い刺激が走る。

時間は既に、かなりが経過した。

あの時のその景色はもちろんないだろう。
それでも懐かしいだけでは片付けられない、そういう思いは変わらない。



その人は30台半ばに奥さんと小学校に入ったばかりの娘と3人で、海を渡った。
どこかの会社の駐在員としてでもないし、留学ということでもない。
勤めていた会社を辞めて渡ったのだ。

誰からか呼ばれたわけではない。
自分の意思と家族の賛成だけが、その理由だ。

勤めていた会社が海外に関係していたわけでもない。語学に秀でていたわけでもない。(どちらかというとその真逆の人です)

転職暦が一度あるだけの、ごく普通のサラリーマン。でも30過ぎてすぐ課長さんになったと話していたから、もしかしたらとても優秀なサラリーマンだったのかも。
でもあっさり会社辞めて、海を渡った。しかも、奥さんとまだ小さな子供を連れて。



自分の意思だけで海を渡った人間たちにできる仕事は決まっている。言葉、ビザ、様々な障害がある人たちなのだ。
だから、必要なものは体力だけ、そういう仕事をするしかない。
そういう生活が始まる。嫌なら帰るしかない。

だから多くの人はここで挫折する。

労働時間は長くしかしその賃金は少ない。

でも不満を言うことはすなわち帰国を意味する。
より良いビザに変えなければこの日々から逃れられない。
そのためには金がいる。
働く。
しかし賃金は少なく、しかも労働環境は悪い。
悪循環だ。

抜け出すためには、そして海を渡った最初の目的を抱き続けることは、簡単なことではない。

金やビザ以外にも、言葉、食事、習慣、そういうものからも知らず知らずにストレスを受けている。

ストレスから逃れるために日本語のビデオにだけ安らぎを見出す人もいる。海外に居ながら海外を一時的に拒絶する時間を少しでも設けないと壊れそうになる。

続けていた勉強を止める人もいる。眠りたい、それが理由だ。

しかしそういう人はまだ救われている。少なくてもその体力仕事は続いているからだ。

多くの人はその仕事を続けることができない。だから早々と日本へと帰っていくことになる。


しかし、本当は早く帰ったほうがいいのだ。
長く居れば居るほど、帰ることができなくなるから。

浦島太郎は日本では通用しない。


ビデオで日本のドラマを見て、日本街のカラオケで十年前に流行った歌を歌う、でも少なくても外国に住んでいる、このことがプライドであり、心の支えだ。
慣れればこの生活は悪くない。何か楽なのだ。でも何の未来もない、、、。

話しが脱線しました。
ともかく。


Hさんは奥さんと必死で働いた。

睡眠時間を削り技術を身につけ、体力だけの仕事からの脱出を常に試みていた。お金を貯め、来るべきグリーンカード取得のための弁護士費用に備えた。

そのうち苦手の英語は娘が代わりにしてくれるようになった。

小学校一年生だった娘が大学生になる、わずか10年の間に、娘の人生は親のそれの二乗以上に変わったのだろう。

やがてその地で生まれた妹ができ、家族の絆はより強くなっていく。
頼るものは自分たちだけ、海外で暮らす家族の絆は本当に強いのだ。



Hさんのグリーンカード、約10年かかっている。
これが取れるまでのその苦労や我慢は想像にしがたい。

もう帰る場所はないのだ。

そして家族がいる。何とかしなくてはならない。
でも家族のことは決して負荷ではない。その逆だ。彼にとって家族の存在は、これが支えなのだ。


彼はグリーンカードを手にした。

そして自分の城を築いた。すごいことです。

海を渡った時には何も持っていないただのおじさんだったのに、あなたは本当にすごいです。

そしてあなたはその城をステップアップした。
評判は僕のところにも聞こえてきていましたよ。

おめでとうございます。やったね!

店閉めたそうですが、でもぜんぜん心配していません。あなたの強さ、僕はよく知っていますから。

いつか僕はそこを訪れます。そして深々とお辞儀をします。


今僕はあの時より10歳、歳取りました。もちろんあなたも同じです。
しかしあなたはきっとあの時と同じ様に、気丈にいるのでしょうね。

でももうそろそろ無理、しないでいて欲しいです。
僕のようにまでとは言わないけど、少しは他人に弱さ見せてください。





特別な人だけが海を渡るわけではありません。
海を渡った人が特別ということでもありません。
でも渡った人だけが見えるものは確かにあります。

残念ながら、これは他の人には見えません。


遅過ぎることはありません。

どこかに諦めきれない気持ちがあるのなら誰かに相談くらいはしてみましょう。


僕たちが海を渡った時より少なくとも情報はたくさんあります。
知恵もあります。
必要なのは、エイエイヤー、という一歩だけだと思います。


移住でも、海外ロングステイでも、最後はやはりエイエイヤーです。

posted by 海外ロングステイ相談室 at 22:20 | ホノルル ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○あの人のきっかけ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック