一軒家のタイムシェア
タイムシェアの人気は相変わらずですね。
でも僕はあいかわらずその人気に猜疑的です。
嫉んでいる?
きっと、そうなのでしょう(笑)

ところでタイムシェアとはどうしてコンドミニアムだけなのだろうと考えたことはありませんか?
マンションや集合住宅という形式が好みではないという方は意外に多いです。
ですからそういう方たちのために、もし一軒家のタイムシェアがあったら、、、。
そう考えたことはありませんか?
一軒家は確かに管理が大変です。
コンドのように鍵一つというわけにはいきませんし、庭の手入れも大変な手間です。
でも一軒家のタイムシェアがない理由はそれだけなのでのでしょうか?
手間とか管理とか金銭とかそういう物理的な問題以外に、もしかたら法律的な問題でもあるのでは、、、?
そう考えたことがありまして、実は今から2,3年前ハワイの知り合いの弁護士に訊いてみたことがあります。
忙しい弁護士への質問です。
ですから質問はシンプルにします。
その時の内容は「複数登記」についてでした。
もしこれが禁止されていたり制限があるようなら、だから一軒家は出来ないという理由になります。
しかしながら弁護士からの回答は、コンドであろうが一軒家であろうが複数オーナー登記は可能ということでした。
ではなぜ?
実はその答えは自治管理組合にありました。
ハワイの各分譲地にはそれぞれに自治組合があります。
そしてこの組合が道路を作ったり、各種施設を整備しています。
役所ではなく、自治組合がしているのです。
日本でも最近小さな政府についていろいろと言われているようですが、アメリカは伝統的にもともと地方自治が発達しています。
分譲地の自治管理組合は日本で言う町内会とはまったく意味が違います。
住民から組合費を徴収する権利を公的に認められており、且つ万一それが滞った場合には抵当権を設定する権利さえあります。
住民により選ばれた組合理事会は、徴収した組合費の使い道を決定する権利を持ち、具体的に分譲地内の道路や設備の整備事業を立案し実行します。
まさに役所そのものです。
そして自治組合にはそれぞれ分譲地規約というものが存在します。
それはここに住むものにとっての法律です。
この規約の中には建築に関する項目もあります。
その中で注目すべきは:
ほとんどの分譲地で、一区画の土地に対しては一軒の建築のみとか、暮す人間については一家族もしくは二家族までとか、そういう制限を設けている場合が多い
:ということです。
自治組合の責務として分譲地の価値を高めることは当然です。
そのための建築に関する規約です。
だからセットバックや高さ制限、様々に自分たちの分譲地の価値を守ろうとする項目が並びます。
つまり一軒家のタイムシェアが無い理由は、分譲地管理組合にあったということです。
そういえばタイムシェアになっているコンドは一棟丸ごとのタイムシェアユースです。
一部屋だけタイムシェアというコンドは聞いたことがありません。
これもコンドの管理組合規約の問題です。
コンドはコンド自体でそのものがひとつの分譲地と同じことですので、ここにもきびしい規約が存在するのです。
それもこれも皆の共通財産の価値を下げないようにするための努力なのです。
なるほどそう考えてみると、コンド一棟のタイムシェアに比べると、分譲地丸ごとの一軒家のタイムシェアをやることは相当に大仕事となります。
資本家としてもそれなら背を高くしてもう少し収容人数を増やしたいとか、いっそタウンハウスにしてしまえとか考えるかもしれませんし、、。
でもどんなものにも例外はあるのが世の常です。
たとえば既存の分譲地の、普通の1区画の土地を、法人名義で購入した場合は、どうなるのでしょう?
これなら建築時も分譲地規約制限に引っかかることはないはずです。
たとえば建築後、その家を持ち主である会社の社員が代わる代わるそこを利用しても問題はないはずです。
とすれば、こういうことも考えられます。
つまり理論的には、法人が所有し、その法人のメンバーになることにより、タイムシェアのような利用は可能ではないだろうか?
どうでしょう?
何か事業が出来そうですね?
このアイディア、もし興味のある方は、構いません。
ご自由に使ってください。